歌姫(仮)





「…んーん?」





目が覚めると悠斗が手を握って寝ていた。


起き上がろうとすると頭を殴られたみたいに痛くて起き上がれない。






横になったまんま時計に目をやるともうすぐ11時になるところだった。




携帯を開くとちょうど城田さんから電話がきた。







「はーい」



力なく電話に出る。





『弱ってんじゃん。今着いた。』




「保健室…早くきてー」




『教員室によってから行くから帰れる準備しといて』




「わかった。」





教室にかばん取りに行かなくちゃ。




私は悠斗が起きないように手を外してダルイ体を起こしてベットから下りる。






あ、やっぱだめっ




足元がふらついてベットにダイブした。





その反動で悠斗が起きた。




『結衣…大丈夫なの?』




「んーむり、」




『まだ寝てなよ』



悠斗は優しく笑いかける。




「かばん取りに行く」





『持って来てやるから寝てろ』





そう言って悠斗は保健室を後にした。










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