悪い女-side廉-

茜ちゃんの力が抜けるのを感じて、そのままキツく抱きしめた。


腕の中にある存在に、こんなに執着していたんだと自覚すると笑える。


雪乃ちゃんの『初めて』の言葉で思い出したのは、茜ちゃん。
気まぐれに絡んだ彼女は出会った時から惹きつけた。


俺に興味ないくせに、

『あなた蓮咲廉なんだってね?ヤりたいんでしょ?別にいーよ』

そう言った茜ちゃん。



そんな行動がどれをとっても俺には新鮮で、参る。


シングルベッドの上で、嬌声ひとつ上げないで、それでも染まる頬にキツい身体は、ゆっくりと馴染んだ。


こんな可愛いコ、存在したんだね、本気でそう思ったんだけど。



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