悪い女-side廉-
***






「廉君、今日うちに来ない?」


首を傾げて桃色の小さな唇から漏れる可愛い声。


「いーよ☆」


適当に遊ぶのはいつもの事。


「じゃ、後でね」


嬉しそうに手を振って一年生の雪乃ちゃんは教室から背を向けた。

足が止まったのは、

別にその背に視線を追いかけていた訳じゃない。

視界の端に映った不本意ながら目を奪われただけ。



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