悪い女-side廉-
そのまま、ベッドに引きずり込んで、身体を重ねる度に良くなる行為と押し殺す甘い声にゾクゾクする。
つい見つめてしまえば、戸惑うように淡い瞳が揺れた。
強く抱きしめれば、茜ちゃんが「熱苦しい」と眉を寄せて逃れようとする。それが面白くて首筋を舐めると、フゥと息をついた。
「あんたの頭ってエロと女で埋めつくされてるんでしょうね」
「覗いてみる?」
「絶対嫌」
「はは」
プイと背中を向けた茜ちゃんを後ろから抱きしめた。
甘ったるい感情の無い茜ちゃんの空気は居心地が良いから、まどろむと眠気が押し寄せて、瞼が重くなっていく。
常に一緒にいたい、なんて誰かに感じた事はない。
だけど、何となく、茜ちゃんは手放せない。