悠久の島
あたしは短髪の少年に近づいた

だけど 無反応だった

「死んでるのかな?」

すると 短髪少年が目を開けた

どうやら短髪の少年はあたしの存在に気づいていない

気づいていないのではなく 見えていないのだろう

少年は周りを見渡しながら こちらへと歩いてくる

そして すり抜けていった

後ろを振り返れば大木が

どうやら 短髪の少年は大木に向かい歩いていく

「どうしたの?あなた、どうしてここに来たの?」

あたしはすぐに気づいた 彼は亜人なのだと

当然この声も彼には届かず 海へと消えていった

そして 彼は大木に向かい何かをしゃべっているようだ

聞き取れない どうしてもその言葉が聞き取れなかった

何か大切な事をしゃべっていたことだけ覚えてはいるが

その声もまた 風の中に消えていったのだ
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