悠久の島
自分の足で歩くことは忘れていない

でも 羽があることで

その自由で本来の自分を忘れてしまう

ぼくはそう思う

それに 一人だけ羽があるのもおかしい

きっと この集落の人たちにじろじろ見られてしまうから

飛ぶ練習をすることもなく ぼくはただ

英雄の元へ急がなければいけないと言う

目的と使命を背負っていた

正確には背負わされてしまったと言えるだろう

少女は毎日夢を見る

ぼくはそれを毎日聞いている

少女の話す姿は大好きだ

だけど 少女の話す内容は

どうしても好きになれない

「ずっとこの時が続きますように」

その言葉を思い出すたびに

少女の言う夢の話が現実に起こって欲しくない

そう願うのである 毎日のように

ぼくは少女の居ない世界を望まない

ぼく自身少女とともに消えてしまうことを望まないから
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