悠久の島
海に出た 海はとても広い

足跡は海の向こうまで続いている

けど 目の前は海

ぼくは 歩いて海を渡ることはできない

「羽があるじゃないか」

どこからか聞こえてきた

そうだ ぼくには羽がある

その羽を使って飛んでいけばいいんだ

小高い丘から 勢いをつけて

ぼくは 海を目指し 空高く飛んでいった

慣れないうちは どうしても真っ直ぐに飛べなかった

けど すぐにコツはつかめた

ぼくは風に乗り 海に見える足跡を追いかけていく

先に何が待ち受けようとしていても

ぼくは飛び続ける

少女の願いを叶えるために

たった一つのことしかできないけど

ぼくは 勢いをつけ羽ばたかせた
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