悠久の島
深く考えた ぼくには何ができるのかを

少女は 歌を歌うために庭園の舞台へと向かった

ぼくは 英雄達にその歌声を届けるために旅をしている

「何の力もないじゃないか、空しか飛べない、そんなに速く飛べない、あいつとは違う、何もできないじゃないか、守るとか以前の問題か。」

嘆いている時間なんてない 分かってはいても

比べてしまっている自分がいる

比べても何も変わらない そんなことは分かっている

空を見上げた 少女はもう庭園に着いたのだろうか

だとしたら こんな所で嘆いてる事はできない

とにかく 足跡だけを追い続けようと

そう思いながら 足跡を見た

するとどうだろう 今まで気づかなかったが

足跡には英雄たちの それぞれの思念がこめられていた

ぼくはそれを読み解いていた 書かれている一文字一文字を

今まで読み取れなかった 読み取れなかったんじゃない

無視していたんだ ぼくには関係ないと思ったから

思念には 理想と現実 それぞれの信念

英雄達ひとりひとりが よく分かる

この時 足跡はもうただの足跡ではない事に気づいた

そうだ ぼくにはこんな力があったんだ
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