悠久の島
黒い鎧は 次々と神と呼ばれる羽の生えた者達を殺していく

かつての人々の争いを思わせるような 悲惨なものだった

最後に残った神は 自分達に罪はない

せめてと最後の願いである 共存

そのために 実の親に殺された 羽を授かりし少年と少女の魂を

異世界へと 送ったのであった

そして 最後の願いを 空の遥かかなた上空に存在する

庭園の舞台で 歌いだしたのである

黒い鎧は 歌声と共に消滅し

何千 何億もの光は異世界へと消えていったのだった

男も後を追うように 異世界へと消えていった

地上の人々は歌声に魅了され そしてこれまでの記憶も全て消えてしまった



悠久の島は 人々の忘れらた記憶の作り出した世界

最初は一つだった島も 争いが続きその度に分裂し

引き裂かれていった その結果が生み出した

人々が忘れていた記憶 

災厄の時はある男の生み出したもの

そして 迫り来る楽園の崩壊にも気づかず 

人々がめぐる争い 悠久の時より永きに渡る眠りから目覚める神

それはまた別の物語である・・・
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