ラブファイター
どこからかはわからない苛立ちが込み上げてくる。
「あんたなんか…」
苛立ちとおさまらない。
おさまるどころか、どんどん怒りが込み上げてくる。
「ん?」
余裕そうな表情で笑っている椎名くんに、ブチっと音を立ててあたしの中の何が切れた。
「あたしがあんたをオトしてあげる」
言った。
言ってしまった。
「へぇ?」
口元をあげてニヤリと笑っている。
「オチなかったら、どーすんの?」
余裕そうに笑う彼。
「そ、そんときは、逆立ちで校内100周してやるよ!」
あっ!
我に帰ったように、急に“しまった”という気持ちが込み上げてきた。
「へぇ?おもしれーじゃん。まっ、せいぜい逆立ちの練習しとけよ?」
ち、ちが!
ってもういないし!
ああ~!
またまた、やってしまった。