ラブファイター
「まぁ、今日は見逃してやるよ。早く席につけ」
つまらなさそうに言う先生。
女子が“あんた誰よ?椎名くんと何してたのよ?”とでも言いたそうな視線を送ってくる。
「「はい…」」
重なった声を無視して、静かに空いている席に向かう。
窓際に空いている席が2つ。
多分、椎名くんとあたしの分だ。
「美玲!こっち」
と小声で、指差している凛。
早足で席に向かう。
あたし達が席に着くと、HRは直ぐに始まった。
「俺の名前は新田慎二(ニッタシンジ)だ。俺の英語で赤点とったやつ、覚えとけよ?」
な…っ!
よりによって一番苦手な英語が新田?
赤点取らないようにしなきゃ…!
「あとは…めんどくせぇーから適当にやっとけ。頼んだぞ、学級委員」
なんて適当な先生。
教師がこんなんで、大丈夫なの?