ラブファイター
「何してんのよ!!」
ストップしてたはずの凛がドアを開けて叫んだ。
あたしは慌てて保健室の中にはいる。
深刻そうな話になりそうなのでドアを閉めた。
麻由と悠斗がびっくりしてこっちを見ている。
「凛…」
凛はづかづかと中に入ってきて悠斗に近づくと、ゆっくりと深呼吸して静かに口を開いた。
「なに…してたの?」
「別に」
「こんな何処で…また麻由を脅す気?」
「…は?」
悠斗は口をぽかんと開けている。
何言ってんのこいつみたいな目。
「脅す…てなんだよ」
「…?」
「いつ俺がこいつを脅したんだよ?」
「は…?中学のときあんたが麻由を脅して、別れたんでしょ?とぼけんないでよ!!」
凛はふるふると震えながら必死に訴えかけている。
あたしはドアのところで、ただ呆然と見ていることしか出来なかった。
「ははっ、そーいうことね」
悠斗は納得したように、笑った。
「なぁ、お前友達にまで嘘ついてんだ?本当に最低だな」
そういった悠斗の目は、冷えきった目をしていた。
「は?嘘?何言ってんのよ!ねぇ麻由」
凛は麻由の肩を揺らしながら、必死に聞く。
麻由は俯いたまま何も言わない。