ラブファイター
「ちょっ、何処行くの?」
「いいから、来い」
あたしの腕を痛いほど掴んで、引っ張る。
その行動にクラスのみんなはぽかんっと口を開けて見ている。
それもそのはず、だってあたしを引っ張っているのは、まぎれもない椎名くんだったから。
「い、痛いって」
腕に力を入れて離そうとする。
あたしが力を入れたことによってさらに力を強めてきた。
「痛っ、痛いって!離して!!」
ぱっと腕が離れた。
「痛い」
涙目になりながら、つぶやく。
「悪りぃ.でも話がある」
そう言って連れてこられた場所は、屋上だった。