ラブファイター
椎名くんは、眉を潜めて不機嫌そうに立っている。
「話ってなに?」
あたしは、痛みを堪えながら言う。
「悠斗のこと」
「悠斗?」
「そう」
あたしはわけが分からず、首を傾げた。
「あと、あいつも」
「あいつって、麻由?」
「そう」
眉間にシワを寄せながら、
「何があった?」
と聞いてくる。
「悠斗とあいつに…何があったんだ?」
「何かって?」
「おかしいんだ。最近のあいつ…。抜け殻みたいに…ぼーっとしてるんだ」
「そ…そんなこと言ったって…」
「あと、お前も。」
「へ?」
またまた意味が分からなくて、首を傾げる。
「…やっぱ、なんもねぇ。あいつ等に何があったんだ?」