隣の席の優等生は
Part1*

【玲奈SIDE】

あたしはあの時からずっと一人ぼっちだった。

淋しかった。

一人が恐かった。

そして━━……

彼らを忘れたかった。



「転校生さ〜〜ん!!寮はこちらですよ〜」

「あの…杉本先生、私にはちゃんと名前が……」

「ほら、着きましたよ!大きいでしょう!!ここの私立桜ノ宮高校は東京で一番大きいと言われる全寮制で、部屋の大きさや食事等は全て階級に寄って定められ━━━━」


はぁ…よく喋る先生だ……。

いったい何処で息継ぎをしているのか。


今日から入るこの高校。

初等部から大学まで備わり、なの知れた家柄の者も多く入っている、いわゆる名門校だ。


「ささっ!中へ入って。外は暑いですから。」


寮に入ってまず待ち構えていたのはかなり広い応接間の様な場所。
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