楽々荘の住人十色
「あぁ…て言うか、実春アンタ授業は?」

実春は小さい頃から、お節介。

「休講、三上さんが心配してたから様子見に来たんだよ」

部屋に入ってくるやいなや、床のゴミを片付ける。
実春は、男と言うより親のような存在でしかない。だから、嫌な気はしない。
お互いのダメ部分をさらけ出しては、蔑み合いながらふざける。

「私の部屋片付ける前に自分の部屋は大丈夫なのかよ」

実春の部屋も相当だ。

「今んとこ、廉の部屋よりマシだよ」

実春とお互いを記録しあって何年経つだろうか。
こんなに長い時間一緒に居る幼なじみは私達の他にいるのかと思えるくらいだ。
トルソは、そんな私達二人を見下げる。




< 27 / 80 >

この作品をシェア

pagetop