楽々荘の住人十色
大学の夏休みは長い。
大体は、お盆明けくらいに帰省して登校初日のギリギリまで実家で過ごすのが主流みたいだ。
もちろん、准教授・教授はプロで活躍する人が多いから7月~10月は稼ぎ時。
いつも誰かがいるはずの寮も気配のない静けさが漂っている。
秋ちゃんは、地元北海道で涼しい夏を過ごし、有馬君はお兄さんの住むアメリカ、シアトルに旅行。
唯一、同じ地元の廉だけが今年も帰省せずに居残って三上さんに頼まれてる部屋の換気に掃除と家庭菜園の世話を任されている。
「ただいま。廉、何やってんの?」
居間から庭に繋がる窓の向こう、廉はデカイ鍋で何か炊いている。
「おかえり。これ?布を炊いて染めてんの」
大体は、お盆明けくらいに帰省して登校初日のギリギリまで実家で過ごすのが主流みたいだ。
もちろん、准教授・教授はプロで活躍する人が多いから7月~10月は稼ぎ時。
いつも誰かがいるはずの寮も気配のない静けさが漂っている。
秋ちゃんは、地元北海道で涼しい夏を過ごし、有馬君はお兄さんの住むアメリカ、シアトルに旅行。
唯一、同じ地元の廉だけが今年も帰省せずに居残って三上さんに頼まれてる部屋の換気に掃除と家庭菜園の世話を任されている。
「ただいま。廉、何やってんの?」
居間から庭に繋がる窓の向こう、廉はデカイ鍋で何か炊いている。
「おかえり。これ?布を炊いて染めてんの」