楽々荘の住人十色
木の棒で混ぜては沈めを繰り返し、上がる湯気は干し草の匂いをまとって香る。
汗を垂らしながら集中した目線で取り組む姿勢は大分見慣れた。
「廉、実家に帰らなくていいの?」
「帰っても誰もいないよ」
廉の実家は山を切り開いたマンションの一角。
おじさんとおばさんは、服の買い付け業を営んでるせいか、海外出張が多く殆ど家にいない。
「お姉さんの家にでも行けばいいじゃん」
廉には美人なお姉さんが3人いる。
「嫌だよ、子守なんて」
器用に鍋から布を取り出し大きなタルの日差しで温くなった水で洗う。
草木染めとか言うから、緑色に濁るのか思うとほんのりと黄色く濁る。
汗を垂らしながら集中した目線で取り組む姿勢は大分見慣れた。
「廉、実家に帰らなくていいの?」
「帰っても誰もいないよ」
廉の実家は山を切り開いたマンションの一角。
おじさんとおばさんは、服の買い付け業を営んでるせいか、海外出張が多く殆ど家にいない。
「お姉さんの家にでも行けばいいじゃん」
廉には美人なお姉さんが3人いる。
「嫌だよ、子守なんて」
器用に鍋から布を取り出し大きなタルの日差しで温くなった水で洗う。
草木染めとか言うから、緑色に濁るのか思うとほんのりと黄色く濁る。