楽々荘の住人十色
実家で蚊に刺された首元を掻きながら昔も、今も変わらず廉の制作風景を眺めてる。
少し前までは、憧れを込めて眺めてたって事は誰も知らない。
その時、ポケットで振るえる赤いライトを点滅させた携帯に気が付いたのは、まだ明るい夕方の17時だった。
「おい…おいっ!実春、携帯鳴ってんぞ」
タバコを口にくわえながら不機嫌そうな表情の廉に叩き起こされ、気が付けば談話室のソファーを豪快に占領して寝てたみたいだ。
「も…もしもし…」
「もしもーし、久しぶり」
電話は知らない番号。
でも声は知ってる。
久しぶりに聞いた知ってる声。
少し前までは、憧れを込めて眺めてたって事は誰も知らない。
その時、ポケットで振るえる赤いライトを点滅させた携帯に気が付いたのは、まだ明るい夕方の17時だった。
「おい…おいっ!実春、携帯鳴ってんぞ」
タバコを口にくわえながら不機嫌そうな表情の廉に叩き起こされ、気が付けば談話室のソファーを豪快に占領して寝てたみたいだ。
「も…もしもし…」
「もしもーし、久しぶり」
電話は知らない番号。
でも声は知ってる。
久しぶりに聞いた知ってる声。