楽々荘の住人十色
眠い目を擦りながら自転車を押す河川敷。
眠くて自転車に乗る気力すら出てこない。

ダラダラと歩く河川敷。

犬の散歩にジョギングランナーはみんな日の光が指してる方へ向かい、夜に吹く風とは違う朝の風が髪をぐしゃぐしゃにする。
その時、詩音の匂いが染み付き離れないで香る。

まただ。
離れたばかりなのに、また詩音に逢いたくなる。
依存している自分に苛立ち嫌悪すら感じるんだ。

うつむいて帰る帰り道は案外早く寮についてしまう。

「おかえり、早阪。」

管理人の三上准教授は朝早くから庭の手入れをしている。


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