指先の魔法


この日の地上はいつもと違っていた


人々の悲鳴、何かの爆発音

癇癪玉みたいな弾ける音


「な…に?何が起きているの…?」


ふと見れば、見たことのない大きな船


地上の人々が襲われていた



「親方ぁ!!人魚です!!人魚がいます!!」


唖然としていたステラは瞬時に我にかえった


逃げようとした瞬間、それよりも早く網に捕らえられてしまった


「やっ…!」

「ほぅ。人魚とはまた珍しい…。価値のある種族よ。どうだ?町長。人魚を渡さぬか?すれば、もう人々を襲うまい」

「ほ、本当ですか?!ならばどうぞその人魚を…」

「では皆のもの退却だ!宝石よりも美しいものを手に入れた!」



ステラは海賊に捕われた


海賊船では檻の中で捕らえられ
恐怖と街の人々の裏切りで精神的なダメージがステラを襲った


「人魚の血肉は不老不死の力があるらしい」


監士の言葉にステラは寒気立った


「私を食べるの?」

「へえ。綺麗な声だな。お前をどうするかは船長が決める」




ステラに恐怖がつのる。


水のない船の上

何をされるかわからない恐怖

食べ物は口にできないものばかり



ステラが限界まで衰弱しかけた時、神様のいたずらか、さてまた運命なのか



海に嵐が来た




< 12 / 27 >

この作品をシェア

pagetop