指先の魔法
この日の地上はいつもと違っていた
人々の悲鳴、何かの爆発音
癇癪玉みたいな弾ける音
「な…に?何が起きているの…?」
ふと見れば、見たことのない大きな船
地上の人々が襲われていた
「親方ぁ!!人魚です!!人魚がいます!!」
唖然としていたステラは瞬時に我にかえった
逃げようとした瞬間、それよりも早く網に捕らえられてしまった
「やっ…!」
「ほぅ。人魚とはまた珍しい…。価値のある種族よ。どうだ?町長。人魚を渡さぬか?すれば、もう人々を襲うまい」
「ほ、本当ですか?!ならばどうぞその人魚を…」
「では皆のもの退却だ!宝石よりも美しいものを手に入れた!」
ステラは海賊に捕われた
海賊船では檻の中で捕らえられ
恐怖と街の人々の裏切りで精神的なダメージがステラを襲った
「人魚の血肉は不老不死の力があるらしい」
監士の言葉にステラは寒気立った
「私を食べるの?」
「へえ。綺麗な声だな。お前をどうするかは船長が決める」
ステラに恐怖がつのる。
水のない船の上
何をされるかわからない恐怖
食べ物は口にできないものばかり
ステラが限界まで衰弱しかけた時、神様のいたずらか、さてまた運命なのか
海に嵐が来た