指先の魔法
少年は唖然とした
夢だったのかと思ったぐらい
「でも、夢じゃない」
両手の爪を見れば桃色と白色のお星様
公園の近くまで行くと少女がいた
少年は走り出す
「…っモモ!」
「…!ムッシュ…」
「モモ!おれ…おれ…」
少年は爪を見た
それは仲直りのおまじない
「…っモモのこときらいじゃないんだ!ごめんっ」
深い深い森の中
暗い暗い海の底
広い広い空の上
金木犀の香につられて
指先の幸せをお手伝い
探せば消えて
望めば鍵が
ホグミルズ4丁目
神出鬼没なおまじない屋には
ひとりの魔法使いが住んでいる
<仲直りのおまじない-End->