世界の果てに - 百年の光 -
∞第一章∞
∴猫とブレスレット
「…ありえないっ!」
あたしの朝の第一声は、これだった。
目覚まし時計を掴むと、その針は一向に進んでいない。
あたしは目覚まし時計をベッドに投げつけると、急いで身支度を始めた。
「もーっ!何でよりによって今日なのよ!」
悪態をつきながら、乱暴に鞄を掴み、部屋を出た。
「お?寝癖ひどいぞ、莉緒」
「うるさいっ!」
たまたま近くにいた兄が言うけど、寝癖に構ってる暇なんか、あたしにはない。
…だって、今日は。
「何で起こしてくれないのよ!試験なのに―――ッ!」
そう。大学受験の日だった。
―――古宮 莉緒(こみや りお)。
大学受験を間近に控えた…っていうか今日だけど、高校三年生。
この大切な日に、寝坊だなんてありえない!
「お兄ちゃんのバカ!」
「んな!? 兄をバカにすんなよ!?」
「アホーッ!」
幼稚な捨て台詞を吐いて、あたしは玄関から飛び出した。
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