世界の果てに - 百年の光 -
可愛らしい声で、きっとまだ幼いんだと思う。
この子もきっと、人間を見たことがないんだ。
「おおメルティ、会ってくれるのじゃな?」
長老の嬉しそうな言葉に、メルティは少し考えてから首を横に振った。
「…いや。髪飾りなんていらないもん」
「メルティ…」
「わたしは、力なんて使いたくない」
そう言ったメルティの瞳は、すごく寂しそうで。
「…じゃあ、お話しよう!」
あたしは思わず、そう口にしていた。
「おい、お前何言って…」
「いいでしょ別に!だってあたし、小人のこともっと知りたいもん」
呆れたようなエルに、微笑んでいるアスティ。
それから、驚いた顔をしているメルティを見た。
「ダメかな?メルティ」
「………」
メルティは紅い瞳をじっとあたしに向けると、小さく呟いた。
「……いいよ」
「わぁ!ありがとう!」
「…あなただけなら」
―――…あたしだけ?