世界の果てに - 百年の光 -
∴小さな勇気
―――えっと、どうしよう。
「………」
「………」
沈黙に支配されながら、あたしの頭はパニック寸前だった。
メルティに指名されたのはまさかのあたしで、エルとアスティは立ち入ることを禁止された。
二人がいれば、どうにかなると思って、話そうなんか提案したあたしはバカだった。
「…小人のこと、知りたいんじゃないの?」
「ぅえぇ!?う、うん!知りたい!」
突然メルティから話しかけられ、思わず変な声を出してしまった。
そんなあたしを見て、メルティの顔が曇る。
「……あなたも、同じなんだ」
「え…同じ?」
「…わたしに、力使えって説得しにきたんでしょ?」
どこか、一線引いた態度。
その理由が、少しだけ分かった気がした。
「…大丈夫だよ、メルティ」
あたしは、目の前の幼い少女に微笑む。
「あたしはちゃんと、メルティと話すから。…姫とじゃなくて、ね」
紅い瞳から、大粒の涙が零れた。