世界の果てに - 百年の光 -

不意に、頭に優しい温もりを感じた。


「頑張ったね、リオ」


「…アスティ」


アスティは微笑みながら、あたしの頭を撫でる。


それがくすぐったくて、嬉しくて。


誰かに感謝されるのって、すごく気持ちのいいものなんだと実感する。


「…おい、長老」


サムエットさんとメルティの様子を見つめながら、エルが長老を呼んだ。


「何じゃ?」


「俺たちに最初言ったこと、忘れてねぇよな」


最初言ったことって…まさか。


「俺たちの望むこと、何でもしてくれんだろ?」


―――やっぱり。


「ちょっとエル!あんた厚かましいにも程があるわよ!」


「あん?」


「いいじゃない、報酬なんか!こうして無事にっ…」


「娘。いいのじゃよ」


あたしの言葉を遮って、長老は笑った。


「約束は約束じゃ。何なりと申し入れよう」


……もう…エルのバカ。


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