世界の果てに - 百年の光 -

「昔に異世界から来た人たちは、リオみたいにこっちの世界から呼ばれたのかな」


アスティの疑問に、長老はまた唸った。


「うむ…だとしたら、呼ばれた理由が分からず役目を果たせなかったのか、はたまた違う理由か…」


「どっちにしろ、その"呼ばれた理由"ってのが重要だな」


エルはそう言うと、あたしの腕を引っ張った。


「なっ、」


「…ったくどこのどいつだ、魔術なんかかけやがったのは」


銀色のブレスレットは、魔術をかけられたなんて知らないかのように輝いている。


最悪、このブレスレットが外れない限り…あたしは、帰れない。


「…どうすればいいのかな」


弱音のように、か細い声が漏れた。


エルはあたしの腕をはなすと、フンと鼻を鳴らす。


「それを今考えてんだろ。結論を急ぐんじゃねぇ」


いつもの、偉そうな態度。


それが何故か可笑しくて、あたしは笑った。


「あん?何笑ってんだよ」


「別にー…痛ッ!」


くすくすと笑っていると、エルに頭を叩かれた。


何てヤツ。


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