世界の果てに - 百年の光 -
だってさ、あたしの問題なのに。
なのに、何でエルが偉そうなのか、わけわかんないもん。
「すまぬの。全く力になってやれずに…」
「あ、大丈夫ですっ!」
しょんぼりと項垂れてしまった長老に、全力で手と首を振った。
もしかしたら帰れないんじゃないか…って不安が増すだけだったけど、それは長老のせいじゃない。
「とにかく、あたしがこの世界に呼ばれた理由。これを知らなきゃ始まらないんだよね」
むん、と拳をつくって力を入れる。
「その理由を知るためには、結局魔術師を探さなきゃいけないね」
アスティがあたしを見て、困ったように笑った。
そうだ…まずはブレスレットとクリスに魔術をかけた魔術師を、探さなきゃいけないんだ。
「また最初に戻っちゃった…」
がくっと肩を落としたあたしに、長老が「そうでもないぞ」と言って続けた。
「魔術師自体を探しだすことは、簡単かもしれぬ」
「えっ…?」
顔を上げると、長老はコホンと咳払いをした。
「魔術には、どんなものにも根元というものがある」
魔術の根元…って、クリスが言ってたやつだ。