世界の果てに - 百年の光 -
結局、エルに「次同じ問いかけしたら荷物持ち」と言われ、あたしは黙々と歩き続けた。
それから三時間後、ようやく街並みが目に飛び込んで来た。
「…もうすぐだよ、リオ」
「うん…頑張る」
口ではそう言いながらも、身体はへろへろだった。
途中何度かクリスが引く荷台に逃げたりしたけど、我ながらよく二人についてこれたと思う。
…まぁきっと、二人があたしに合わせてくれたんだろうけど。
小国セレエは、どこかひっそりとした雰囲気の国だった。
人口もそこまで多くなさそうだし、お店が立ち並ぶ商店街も、活気があるとは言い難い。
「どうしたんだろ…」
「国を治める王によって、国は変わる。覚えとけ」
きょろきょろと街を眺めるあたしに、エルが言う。
言ってることは何となくわかるけど、静かすぎる気がするのは…気のせい?
さっそく換金所でお金に変えたあと、あたしたちは街中を歩き始めた。
しばらく歩いたところで、あることに気づく。
「ねぇ、人…いなくない?」
あたしの言葉にエルはちらりと視線を寄越した。
「…いや、いる」
「いるって、みんな家の中ってこと?」
街中で、しかもまだ夕方なのに、誰一人見当たらない。