世界の果てに - 百年の光 -
アスティが遠くに行ってしまう気がして、あたしはエルに訴える。
「エル、追いかけないと…っ」
「ちょっと待て。…おい」
エルは女の人を振り返ると、少し悩んでから口を開いた。
「アイツの言ってた通り、ユランに便りを出すといい。このまま全滅したくなければな…じゃ、俺たちは行く」
早口でそう言うと、エルはあたしを引っ張って歩き出す。
後ろから、女の人がお礼を言う声が聞こえた。
「ねぇ、エル…アスティどうしたの?」
「気にすんな」
気にすんなって…無理に決まってるじゃない!
ほとんど走るようにして、アスティに追いついた。
「アスティ…!どうしたの?」
立ち止まろうとしない、アスティの背中に問い掛ける。
エルがため息をつくと、アスティの髪を引っ張った。
「いっ、…」
「止まれ、バカ」
ようやく振り返ったアスティは、どこか悲しそうに笑っていた。