世界の果てに - 百年の光 -
…どうして…?
あたしが顔を歪ませたのが分かったのか、アスティが口を開く。
「オレ、ほとんど逃げるようにして家を出たから。今さら会わせる顔がないんだよ」
「………っ」
「ごめんね、リオ。正直…会うのが怖いんだ」
違うよ、アスティ。
あたしは、謝ってもらいたいんじゃない。
そんな顔してるのに、会いに行かないなんて間違ってるよ。
「…じゃあ、いいんだな?」
一瞬の静寂を破るようにして、エルが問い掛けた。
アスティは少しだけ微笑んで、「うん」と答える。
「だってよ、ちびっこ。アスティの決めることだ、このまま旅を続け…」
「ダメ!」
張り上げた声に、二人は驚き、クリスはヒヒンと鼻を鳴らした。
「ダメ…ダメだよ。会いに行って、アスティ」
必死に訴えるあたしに、エルが眉をひそめる。
「あのなぁ、お前の考え押しつけんなよ」
「だって…絶対後悔する」
もしも、もしものことがあったら。
一番後悔するのは、アスティなんだ。