世界の果てに - 百年の光 -
∴大国メルティアス
「…え?留守番?」
あたしは目の前に偉そうに立っているエルを見て、そう呟いた。
「バカ言え。俺が見張りをやるっつってんだよ」
「や、だからそれ留守番でしょ」
長い長い毎日を繰り返すこと、約十四日。
歩いて、野宿して、時には戦ったりして。
二週間かけてやっと辿り着いたのは、大国メルティアス。
その一角にある大きな宿の前で、エルが留守番とか言い出した。
「いいか、ちびっこ」
エルは諭すように、話を続ける。
「これから向かう場所は、城だ。そこにクリスを連れていけば目立つだろ」
「だからって、エルがクリスと一緒に待つ必要ないじゃん。むしろあたしが…」
「いや、俺の役目だ」
全く引こうとしないエルに顔をしかめると、アスティが笑った。
「いいよ、リオ。二人で行こう。うちには頭がいい大臣がいるから、話を聞けるだろうし」
ね?と首を傾げるアスティに、あたしは渋々と頷いた。