世界の果てに - 百年の光 -
結局、宿にエルとクリスを置いて、あたしとアスティは城下町へと歩き出した。
「…変なの。エルの態度」
賑わう城下町を眺めながら、あたしはポツリと呟いた。
「きっと、行きたくないんだろうね」
「え?」
苦笑するアスティに、あたしは目を丸くする。
何となく嫌そうな感じはしたけど、本当に行きたくないからなの?
「オレは、オレがエルを巻き込んだって思ってるけど、エルは逆だから」
「…エルは自分がアスティを巻き込んだって思ってるってこと?」
あたしの問いに、アスティは頷く。
「王族のオレを連れ出したことを、きっと後悔してると思うんだ。オレの父さんに会ったことあるし、来るのが嫌なんじゃないかな」
「ふぅん…」
エルとアスティがどうやって出会って、一緒に盗賊をすることになったのか。
あたしには全然分からないし、見当もつかない。
でも、それで今の二人がここにいるなら、それでもいいんじゃないかって思う。
「それにしても…」
「?」
あたしがじーっと見つめると、アスティは首を傾げた。