世界の果てに - 百年の光 -

「それよりちびっこ!お前落ちたってどういう…」


「どこ!?」


話を遮ってそう叫ぶと、琥珀色の瞳が見開かれた。


「は?何言っ…」


「教えて!ここはどこなの!?」


ただ切実な想いで、あたしは訊いた。


そんなはずない。ここが日本じゃないわけない。


…そう、信じたかったのに。



「―――サレンティア王国」



僅かな希望は、簡単に打ち砕かれた。


「ま、ここはミレの国境付近だけどな」


付け加えるようなその言葉は、ほとんどあたしの耳には入ってこなかった。


ただ、この現実が信じられなくて。


「…冗談、でしょ…?」


「冗談?何でだよ。てか、お前ここが知らなかったのか?それに落ちてきたって…」


「ストップ。エル、この子様子がおかしいよ」


アスティはそう言って、あたしに近付いて来た。


「…どうしたの?」


一見無表情に見えるけど、紫色の瞳は優しかった。

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