世界の果てに - 百年の光 -
…でもまさか、こんなことになるなんて。
デューイくんはきっと、アスティをこの国に留まらせる気だ。
アスティを、この国の国王に…
「………」
ズキンと胸が痛んだ。
アスティがいなくなるなんて、考えただけでも悲しい。
あたしはゆっくりと立ち上がると、鉄格子の隙間から辺りの様子を伺った。
鍵とかないかな…それか、この鉄格子を壊せるくらいの武器とか…。
それでも視界に映るのは、冷たい床といくつもの鉄格子だけ。
「~もう、あーけーてーよー!!」
痺れを切らしたあたしは、鉄格子を掴んで思いきりガチャガチャと音を立てて揺すった。
―――すると、
「う、ひゃッ…!」
ガシャンと一際大きな音を立て、鉄格子が外れた。
その勢いで、あたしは鉄格子もろとも床に倒れる。
まさか、壊れるとは思わなかった。
埃が舞い、苦しいやら体が痛いやらで咳き込むあたしの耳に、
「―――お前、力強すぎだろ」
聞き慣れた、呆れたような声が響いた。