世界の果てに - 百年の光 -
「…やめた」
考えても答えは出ない気がして、あたしは腰かけていた岩から離れた。
ここにいても、きっと意味はない。
どこか違う場所に行けば、人がいて…何か教えてもらえるかも。
夜に知らない土地を移動するのは、危ない気がした。
でも、ここで一晩過ごすのも安全とは言えない。
あたしは近くの枯れ枝を拾い、ぎゅっと握りしめた。
「頼りない武器だけど…ないよりはマシよね」
そう自分に言い聞かせ、あたしはゆっくりと歩き出した。
どこに向かっているのかなんて、自分でも分からない。
ただひたすら、岩の隙間や、でこぼこした道を進んだ。
…すると。
「あれ?…行き止まり?」
大きな岩に囲まれたその先に、道はなかった。
あたしはため息をついて、一度引き返そうと振り返る。
その瞬間、耳をつんざくような咆哮が響いた。
そして目の前には…巨大な、トカゲがいた。