世界の果てに - 百年の光 -
自分の中で何かが吹っ切れたのか、その夜はぐっすりと眠った。
気付いたらエルに叩き起こされていて、寝惚けながら出発の準備。
その場の後始末をしてから、次の目的地に向けて歩き出した。
「あれ、リオ。荷台に乗らないの?」
クリスの隣を歩くあたしに、アスティが首を傾げる。
「うん。今日は頑張ってみようかなって」
ガッツポーズをしてみせると、アスティは楽しそうに微笑んだ。
その隣で、エルがわざとらしくニヤニヤしている。
「へーぇ。ほーぉ。ふーん…?」
「な、何よ!」
「べっつにー?」
相変わらずニヤニヤしているエルを睨んでから、ぷいっと顔を背ける。
そのとき、アスティが「あ」と声を上げた。
釣られて、あたしは振り返る。
「……え?」
前方に見えたのは、あたしたちの行く手を遮るようにして立っている人。
近づくにつれて、その人物が男の子であることが分かった。
「誰だお前」
子供相手でも容赦ないエルの言葉に、その子はにっこりと笑った。
―――――すると。