世界の果てに - 百年の光 -
痛みに顔をしかめるエルが、呆然としているあたしを見る。
「何…」
そこで、エルは自分の手首の重みに気付いたらしい。
まず手首を見てから、その輪から繋がる鎖を辿り、あたしの左手首に視線を移す。
「………は?」
たっぷり間を開けてから、エルはそう言った。
あたしだって信じたくないけど、これは紛れもなく現実。
あたしの左手首と、エルの右手首。
「…繋がってる」
ひとつの手錠のようなもので、繋がれていた。
「―――あ。気付いた?」
どこからか聞こえた声に、あたしとエルは振り返った。
そこにいたのは、あの男の子。
「てめぇ…!」
エルの唸り声を気にもせず、男の子は綺麗な碧眼を楽しそうに細めた。
「あはは。そんなおっかない顔しないでよ」
肩を揺らしながら笑うと、サラサラの茶髪がそれに合わせて揺れる。
「ごめんね。手荒な真似しちゃって」
「ふざけんな。どこだ此処は」
エルの言葉に、あたしはハッとして辺りを見渡した。