世界の果てに - 百年の光 -

それでも、二人の姿は幻なんかじゃなく、本物だった。


「え…、何で…!?」


随分前に、どこかへ行っちゃったのに、どうして…


「…あのね、」


「勘違いすんなよちびっこ!」


アスティが話出そうとしたのを遮って、エルが私に向かって吠えた。


「俺たちは別に、お前を助けにわざわざ戻って来たんじゃねぇぞ!」


その言葉に、あたしは眉をひそめる。


「じゃあ何で?」


「リオ、嘘だよ」


アスティがため息をつくと、エルが真横を振り返る。


「んなッ!アスティてめぇ!」


「オレたち、街に向かったんだけど…途中でリザーダに出くわしたんだ」


エルを無視して、アスティは話を続けた。


あたしは聞き慣れない単語に首を傾げる。


「リザーダ?」


「うん。コレの親だよ。親は翼があるんだけどね」


アスティの視線の先には、ピクリとも動かなくなった巨大なトカゲ。


ってことは…これまだ子供なの!?

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