世界の果てに - 百年の光 -
キィンと高く響く金属音。
「なっ…!」
女の人に斬りかかったのは、あたしたちのよく知る人物。
栗色の髪に、一瞬だけ見えた紫の瞳。
「アスティ…!」
―――アスティが、助けに来てくれたんだ。
「何だいアンタ!コイツらのっ…」
「何だっていいよ」
二本の剣を華麗に操るアスティの背中は、怒っているように見えた。
女の人は、アスティの攻撃を受け流すのに精一杯で、どんどん壁に追い詰められていく。
「!」
女の人の剣が、宙を舞った。
同時にアスティの剣が、女の人の真横を通り過ぎ、壁を突き刺す。
「オレの仲間を傷付けたら、許さない」
「………っ!」
女の人はズルズルと壁を背にしゃがみこみ、顔を覆った。
その様子を見たアスティは、二本の剣を鞘に納めると、あたしたちを振り返った。
「エル…リオ!」
駆け寄ってくるアスティに、エルは目を丸くしている。
「お前…何…」
「あとで話すよ」
アスティはそう言うと、ポケットから何かを取り出す。