世界の果てに - 百年の光 -
どうすんだよ、というエルの問いかけに、アスティは微笑んだ。
「ちょっと、後始末しとくね」
その笑顔が怖すぎて、あたしは見なかったことにした。
エルはフッと笑うと、何も言わずにアスティに背を向ける。
「…エ、エル…」
「あん?」
「…アスティ、あの人たちどうするのかな…」
「知らね」
知らねって…まさか殺人とかしちゃったりしないよね!?
サー…と顔を青くするあたしの耳に、次に届いたのは。
「…悪かったな」
小さな小さな、でも不器用な感謝の気持ちが込められた言葉。
それと同時に気付いた、エルの心臓の音。
「………うん」
そのどちらも心地よくて、あたしは微笑んでから瞳を閉じた。
痛くなんかない。こんなにも、優しさを貰えるから。
気付けばあたしは、深い眠りに誘われていた。
―――――リオ…
誰かが、あたしを呼んでいる…?