世界の果てに - 百年の光 -
∴その先に見えるもの
………‥‥
一瞬、ドキリとした。
「……おい?」
ちびっこの顔を覗き込むと、スースーと規則的な息遣いが聞こえてホッとする。
…焦った。
急に動かなくなるから、まさかとか思ったじゃねぇか。
「…つーか、すげぇな」
腹斬られて寝るとか。どんだけ強い身体してんだコイツ。
ため息をつきながら、俺は狭い隙間を通り、外へと抜けた。
その先に見えた二つの影に、思わず目を見張る。
「…あ!出てきた!どうだったの!?」
大きな瞳を向け、俺たちに駆け寄ってきたガキは…確か、イーズ。
「おい、その子怪我してるんじゃないか?」
低い声でそう言ったのは、ケルンだったっけか。
俺たちをこの事態に巻き込んだ張本人たちが、何でここに…。
「うわ!すごい出血じゃん!」
ちびっこの傷を見たイーズは、眉をひそめる。
「ここに下ろして。看るから」
「…は?」
事態を呑み込めないまま、ポカンと口を開ける俺を、イーズがキッと睨んだ。