世界の果てに - 百年の光 -
「エル…アスティ」
あたしが名前を呼ぶと、二人はピタッと動きを止めた。
琥珀色と紫色の瞳を、交互に捉える。
「あたしを…一緒に連れて行ってください」
あたしはそう言って、頭を下げた。
この知らない世界で、あたしが来た意味と、帰る方法を探さなきゃいけない。
頼れるのは、信頼できるのは…エルとアスティしかいないの。
「迷惑だって分かってるけど…でもあたし…」
「何言ってんだちびっこ」
エルの言葉に、あたしは下げていた頭を上げる。
「俺たちは、盗賊だって言ったろ」
「…うん」
やっぱりダメか、と思いつつ、あたしは頷いた。
「さっき俺たちは、リザーダが狙ってたお前を盗んだ」
「え?」
あたしが目を見張ると、エルは得意気に言った。
「―――お前はもう、俺たちのモノだ」
琥珀色の瞳が、愉しげに細められる。
その言葉の意味を理解するのに、たっぷりと時間がかかった。