世界の果てに - 百年の光 -
…でも、もう決めたんだから。
「あたしも行きます!ちゃんとこの目で、現実を確かめるの!」
腰に手を当てて、怒ったようにそう言うと、エルが鼻で笑う。
「へーえ。卒倒しないようにな」
「しませんっ!」
頬を膨らませると、今度はアスティが笑った。
「頼もしいね、リオ」
クリスの手綱を握ってから、アスティがあたしたちに視線を向ける。
「…行こうか。エル、リオ」
「だな」
「うん!」
あたしたちは三人並んで、"サイリア国"と書かれた門をくぐった。
そして、その先に見える光景に目を奪われる。
「―――っ…!」
想像以上に、厳しい現実が目の前にあった。
乾き切った大地、枯れた木々や花々、荒れた畑。
何より胸が痛んだのは、町行く人々の疲れきった表情だった。
「…立ち止まんな。行くぞ」
「………うん」
エルとアスティは、すごい。
きっと驚いているはずなのに、しっかりと前を見つめている。
…思わず立ち竦んだあたしとは、大違いだ。