世界の果てに - 百年の光 -

「……あの!」


思わず声を上げたあたしに、おじさんが驚いて目を丸くする。


少し躊躇いながらも、あたしは疑問を口にした。


「あの…ここの人たちは、どうしたら笑顔を取り戻せますか?」


一瞬の沈黙。


次に聞こえてきたのは、おじさんの笑い声だった。


「ははは!ありがとよ、お嬢ちゃん。心配してくれて」


ポン、と頭を撫でられ、あたしは複雑な気持ちになる。


そんな、お礼言われるようなこと言ってないのに…。


ただ本気で、どうしたらいいのかなって思ったんだけどな。


「……って、え?黒髪?」


おじさんの突然の言葉に、あたしは瞬きを繰り返した。


黒髪?あたしの髪がどうかしたの?


訳が分からないって顔のあたしから、おじさんはエル、アスティと視線を移す。


「栗色の…もしかして君、アスティって名前かい?」


「!」


名前を呼ばれ、アスティが驚く。


それを肯定と受け取ったのか、おじさんが感嘆の声を上げた。


「いやぁ~、まさか本当に現れるなんてなぁ!」


「…どういうことですか?」


アスティの訝るような視線に、おじさんが笑う。

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