世界の果てに - 百年の光 -

おじさんの後ろ姿が見えなくなるのを見届けてから、エルがため息をつく。


「はぁー…どうすっか」


「うん…。オーガは何で、リオのことを知ったんだろう」


心配そうに、アスティがあたしを見た。


頭に浮かんだ考えを、そのまま口に出す。


「その人が、魔術をブレスレットにかけたのかな?」


だってそうじゃなきゃ、あたしを探す理由がない。


少し唸ってから、アスティが答えた。


「魔術師には、見えなかったけど…うーん、昔どこかでオーガを見た気がするんだよね」


「昔?」


「うん。リオとも、エルとも出会う前に」


「それは今関係ねぇだろ。とにかく、そのオーガって奴はちびっこに何かしら関係してると見て間違いねぇな」


あたしもそう思って、エルを見ながら頷く。


そうだとしても、オーガって人の真意が分からないけど。


「何でその人は、アスティに会いたがってるのかな」


首を傾げると、アスティも分からないとばかりに肩を竦めた。


「リオを探してるなら、リオに会いたがるはずなのにね」


「でしょ?うーん…」


暫くの間、沈黙が続いた。


それぞれが考えに耽り、無言になる。

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