世界の果てに - 百年の光 -

やがて、エルが大きなため息をついた。


「やめだ。考えても仕方ねぇ」


「そうだね。会わないと分かんないや」


二人の言葉に、あたしは目を丸くした。


「…え!?会うの!?」


思わずそう言うと、二人分の視線が注がれる。


…だって!その人がいい人かなんて、分かんないよね!?


「リオ、大丈夫だよ。オレ一人で会うから」


アスティが微笑んでそう言うけど、あたしは素直に頷けない。


アスティが大丈夫な保証なんて、どこにもないのに。


「アスティを信じろよ。そんじょそこらの奴じゃ、アスティには勝てねぇから」


「痛っ!」


エルの呆れたような声と供に、デコピンが降ってくる。


おでこを押さえて睨み付けると、エルはフッと笑った。


「心配すんな。易々とお前を渡したりしねぇよ」


「………!」


反則だ。…そんな、笑顔。


不覚にも、あたしの心臓はドクンと高鳴る。


どう返したらいいのか分からずに、エルから視線を逸らすと、今度は微笑むアスティと目が合った。


「ね」


――もう、あたしの敗けだよ。

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