世界の果てに - 百年の光 -
あたしはふぅ、と息を吐き出して、心臓の鼓動を落ち着ける。
そして二人を見て、呆れながら笑った。
「…分かった」
あたしはいつも、先のことをあれこれ考えて、不安になっちゃうけど。
エルとアスティは、今をしっかり見据えて行動するんだ。
―――それが、羨ましい。
「そうと決まれば、ここで一泊してから出発しようか」
「だな。ちびっこにぶっ倒れられても困るし」
ニヤニヤしたエルの表情に、あたしは思わず反論の声を上げる。
「ぶ、ぶっ倒れません!体力前よりついたもん!」
「あん?寝言は寝て言え」
「寝言じゃないっ!~アスティ!」
「あはは。気を付けてね、リオ」
「……肯定はしてくれないんだね…」
二人とも、優しいのか意地悪なのか分からない。
それでも、そんな二人の隣にいるのは心地良いんだ。
宿がどの辺にあるのか、偉そうに訊くエル。
それを微笑んで見ているアスティ。
―――そしてあたしは、そんな光景に自然と笑顔になる。
「…頑張ろう」
この世界を、救うために―――…