世界の果てに - 百年の光 -


翌朝。



「―――――あ!」



宿から出て、荷物をまとめていたとき、声が響く。


あたしたち三人が一斉に振り向いた先に、よく知った顔があった。


「イーズくん!ケルンさん!」


ぱぁっと顔を輝かせるあたしとは対照的に、エルの表情が僅かに曇る。


そんなエルに言葉を投げ掛けたのは、眉間にシワを寄せたイーズくんだった。


「ちょっとエルさん!捜したんだけど!」


「……へえ」


「へえ、じゃないよ!何で報酬全部置いてくの!?」


「…イーズ」


エルに噛みつくイーズくんを、ケルンさんが宥める。


そんな様子に、思わず笑みが零れた。


「…嬉しそうだね、リオ」


微笑みを浮かべるアスティに、笑いながら頷く。


「だって、エルもエルだけど、イーズくんも可笑しいなって。お金たくさん貰って喜んでいいはずなのに、怒ってるんだもん」


子犬のように喚くイーズくんを、嫌そうにあしらうエルが面白くて、あたしはまた笑う。


みんな心がキレイなんだなって、そう思ったら嬉しくなった。



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