世界の果てに - 百年の光 -
反論できず、あたしは言葉を詰まらせた。
ああもう、本当に、どうして器用じゃないんだろう。
「大丈夫だよ、リオ。前も言ったけど、オレがオーガと会うから」
「…うん。でも、アスティも心配なんだよ」
眉を下げてそう言うと、アスティは微笑んだ。
「いざとなったら、メルティアスの王子だって言う手があるから。リオはエルと待ってて」
優しく頭を撫でられ、少しだけ気持ちが軽くなる。
いつも思うけど、アスティは人の心を安心させるのが上手い。
「俺といれば、神隠しなんてくそ食らえだ」
フン、とエルが鼻を鳴らした。
あたしが呆れながら「はいはい」と言うと、エルの顔が歪む。
「…お前なぁ、俺とアスティで態度変わりすぎじゃね?」
「そんなことないよ」
「リオ、棒読み」
アスティに指摘され、あたしは苦笑しながらエルを見た。
「じゃあ、あたしがここで、そうだよねエル!頼りにしてるよ!…って言えば満足?」
「…や。気持ち悪い」
あからさまな顔にカチンと来たけど、あたし自身もそうだと思う。